コラムColumn
歯が痛くなるメカニズム
皆さんこんにちは。
おなぎ歯科医院です。
歯医者さんを受診するきっかけとして最も多いのが歯痛ですよね。
歯が痛くなることで、やむを得ず歯科を受診する人が多いことかと思います。
歯痛というのは、独特な痛みなので、苦手とされている方もいらっしゃることでしょう。
今回はそんな歯が痛くなるメカニズムについてわかりやすく解説します。
痛みを感じるということは、神経に対して何らかの刺激が伝わっていることを意味します。
例えば、転んだ時に膝を強く打ち付けると、痛みを感じますよね。
それは膝の周囲に神経が分布しているからです。
それと同じように、歯にも神経が存在しています。
専門的には歯髄(しずい)と呼ばれる組織で、神経と血管で構成されており、歯の中心部に分布しています。
つまり、歯が痛いという症状が現れた時は、この神経に刺激が伝わっていることを意味するのです。
むし歯になると歯痛が生じます。
これはむし歯菌が産生する酸によって歯質が溶かされて、歯の神経へと刺激が伝わりやすくなるからです。
ちなみに、歯の一番外側を覆っているエナメル質のむし歯は、歯痛が生じません。
なぜなら、エナメル質には歯の神経が分布していないからです。
その下を覆っている象牙質には、歯の神経が一部入り込んでおり、むし歯による痛みが生じます。
重症化したむし歯では、抜髄(ばつずい)という歯の神経を抜く処置が行われます。
歯の神経を抜くと、当然のことながら痛みもなくなります。
細菌感染によって歯の神経が死んだ場合も同様です。
いずれも歯が痛いという症状が消えますが、歯の健康にとっては決して良いことではありませんのでご注意ください。
このように、むし歯などによって歯が痛くなるのは、歯に神経が存在しているからです。
歯の神経である歯髄は、外からの刺激を感知するだけでなく、歯に存在している細胞へと酸素や栄養素、免疫物質なども供給しているため、できるだけ保存するのが望ましいです。